三人力車 寶藏屋/人力車遊寶村

Nov.2010-Jan.2011
会場:寶藏巖国際芸術村(台湾/台北市)
主催:台北市政府文化局 財団法人台北市文化基金
THAV Public art project 2011
Invited from Department of AIR, Taipei Cuiture Foundation

 リサーチのために初めて台北市にある寶藏巖に訪れたときに、日本語の文字を見かけた。台湾を日本が植民地としていた時代のことを再認識させられた瞬間だった。 日台の関係をリサーチし占領する側と占領される側の関係性を考察した。その結果を表現者として具現化した。

 リサーチの結果、制作したのが三人力車です。この人力車には座席にペダルが用意されていて、搭乗者もペダルをこぐことによって車夫を助ける事ができる。
つまり日本が植民地支配していた時は、車夫のほぼすべてが台湾人で乗り手が日本人だった。うまく言葉にはできないが、私はこういった植民地時代の図式が好きではない。ただし、今までリサーチしてきた事や歴史観を政治的にも学術的にも表現したくなくて、リサーチしてきた事を凝縮もしくは再解釈して変換した結果として、パフォーマンスもしくはインタラクティブな作品として表現したかった。
そのアイディアの中で考えた仕組みがペダルを搭乗席に用意する事だった。一方的な関係ではなくて、相互関係のコミュニケーションが生まれる仕組みを作った。力車を運行している時にかわす会話自体もそうだし、ペダルを早くこぎすぎると私がついていけない。まったくこがないと引き手が重い。この暗黙のかけひきがおもしろい。 乗客の反応を見ていると、こちらが強要しているわけでもないのに、頑張って漕がなければという心情になっているように伺えた。もちろん、その回ごとにリアクションが違っておもしろい。共通しているのは、何も言わなくて も自然にコンセプトに気づくというか、感じ取ってくれること。一見すると、この三人力車はなにかぎこちなくて、 しかもペダルがついていることに気づく。前記したように、乗客は自然と “漕がなきゃ” もしくは “漕いであげよう” という心情になっているんですね。私は台湾の方々に “サービスを提供する” というステータスですが、乗客もサービスを返してくれる、つまり相互関係が自然に生まれていよう様に感じられました。
 Occupation という行為から生まれた provide するというテーマ。それが作品を通じてうまい具合に cooperation という相互関係に変換できました。ペダルという仕掛けがうまく働いたと思います。また作品自体が単純なので幅広い方々にインタラクティブな作品として受け入れられたのだと感じています。 その他には、若年層の搭乗者の反応は新しいおもちゃを目にしたような雰囲気で単純にペダルを通してのやり取りを楽しんでくれた。高年齢層に対しては、やはりなにか申し訳ない気持ちにもなりました。基本的には皆さん懐かしがってくれるんです。しかし、日本人が引く力車に台湾人の私が後ろに乗るのは申し訳ないと言うのです。そして、申し訳ないから私も頑張ってペダルを漕がなければとおっしゃって頂きました。驚く事に多くの高齢者の方々が同じ事をおっしゃっていかれました。こういった経験をすると、台湾の方達は他の周辺諸国と比べてずいぶんと穏やかで温厚なのだなと感じることができた。

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この三人力車は手作業で設計し、ボランティアのみなさんの協力をえて制作した。
制作期間中はスタジオを解放しての公開制作にした。

























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Image from "A Silent grass"<2010>, drawn by workshop participants.
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増田拓史 增田拓史 Hirofumi Masuda